ステッカー制作で、印刷やカットを行う前の素材は表面素材と粘着剤、剥離する台紙部分の3層からなるロール状でできています。制作の際には用途によって表面素材と粘着剤を変えています。粘着剤はステッカーを貼る場所や粘着力によって大体は決まりますが表面素材は様々な素材の中から選ぶことができますので表面素材に凝ることによってほかとは違い一風変わったステッカーが出来上がります。
ステッカーに使用される素材
ステッカー制作の場合に、使用される表面素材は大まかには上質紙やクラフト紙などをベースとして様々な加工を行った紙系の素材とプラスチックのフィルムをベースとしたフィルム系の素材とに分かれています。上質紙そのままの場合は、表面素材としては最も安価に済みます。ただし、表面が粗くあまり仕上がりがよくありませんので紙の表面を均す目止め加工を行ったり、デザインに合わせて光沢のある鏡面加工や落ち着いた色合いにするマット加工を行ったりと工夫が必要です。
フィルム系は紙とは違い材質そのもので分かれていて、一番取り扱いが多いユポと呼ばれるものから塩化ビニル、PETがよく使用されています。ユポ以外は耐候性や耐水性に優れていますので屋外でも使用されます。現在では塩化ビニルはあまり使われなくなっており、ユポとPETが主流になっています。
粘着剤にも特殊な素材を用いているものがあり、貼ってあるステッカーを剥がすと粘着剤が文字として残るものや、情報保護のために一度剥がすと再度貼ることができないものがあります。
紙とフィルムを使用するメリットとデメリット
このように表面素材には大きく分けて紙系とフィルム系とがありますがそれぞれにメリットとデメリットがあります。
紙系のメリットとしては表面素材だけでなく組み合わせる糊の種類も多く、数多くの組み合わせが使用できるうえ、フィルム系と比べて低価格でステッカーを作成できます。そのかわり耐久性に劣り、特に水に弱いため使用する場所が限られます。
フィルム系は耐久性が高く、特に耐水性、耐候性に優れていますので屋外でも安心して使用できますが、紙系の素材と比べると材料が高額なため、1枚あたりの単価が高くなります。ただし、フィルム系でもユポだけは耐水性に難がありますので紙と同じように扱われます。
このように表面材質には得手不得手がありますので使用用途に合わせて適切なものをお選びください。